パグレ

コンテンダーのパグレのレビュー・感想・評価

コンテンダー(2015年製作の映画)
1.8
他のレビューでもわりと酷評が多いですが、ニコラスが好きなので見ました
彼は演技力もズバ抜けた大物俳優なのに、いつも犠牲フライのような作品に出演してますね、そこが好きなんだけれども

「評価は低いけど、見てみようかな?」と迷っている人向けのレビューを書いておきます

実際にあった原油流出事故を題材とした映画
あらすじに書かれている文章や、「その日から、世界の全てが敵になった」というスケールのデカいキャッチフレーズを読んでいると
あたかも「カネや権力で腐敗した政界に立ち向かう英雄」のような人物像を感じ取ってしまうかもしれませんが、そのイメージは半分が正解で半分は間違いです

主人公である下院議員コリン・プライス(ニコラス)は、確かにカネや権力に毒されていません、「苦しんでいる住人を救いたい」という信念、自分の正義は、ちゃんと持っています
賠償金の支払いをしぶる採油業者に本気でブチギレたり、職を失った漁師たちを助けるボランティア団体を運営したりしています、普通に良い人です

ただ、言ったところでしょせん彼はド田舎ルイジアナの下院議員なわけです、極端に言ってしまえば「田舎の市長」みたいなもんです
そんな彼が議会の席で住人のためスピーチを行い、それがたまたま注目を浴びて、新聞に載り、評判が良くなった

それによって大企業や権力者が「こいつワンチャン上院いけるな」とすり寄ってくるわけです(上院とは、平たく言えば大統領候補です)
そしてもちろんマスコミも食いつく、マスコミが食いつけば、そりゃスキャンダルも出てきます

この映画は「腐敗した政界に立ち向かう英雄」の話ではありません

田舎の議員が住民のため地道に活動していたら、その純粋な行いがたまたま注目を浴びて、権力者やマスコミに振り回され、引退か上院進出(権力者に貸しを作る)の2択を強制させられ、色んなことを妥協していく

そんな話です
パグレ

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