いたばくし

グッバイ、サマーのいたばくしのレビュー・感想・評価

グッバイ、サマー(2015年製作の映画)
3.6
退屈とフラストレーションを抱えた思春期、日常を捨てて何かをやらかしてみたい欲求と真面目でいなくちゃいけない重圧との狭間で揺れる男の子二人は、スクールカースト低めの機械オタクと髪を女の子みたいに伸ばした偏屈者。

彼らは手を組んで自作の「家型」自動車を作り、家を飛び出してフランスを旅することを決意する。

うーん、ロードムービーとしてサイコーのプロットじゃあありませんか。


家型自動車はフランスの田舎道を走り続け、坂道を押して進み、夜はヘッドライトが付いてないから暗闇の中で身を寄せ合って眠る二人。
見ているだけですっぱさと切なさで卒倒しそうになります。

何よりも、旅を終えたときの虚無感の描き方が実に上手いです。思春期の子供の計画なんてものは、得てして大した成果も生まずに散ってしまうんだけど、その散り際は本当に切なくて、深い余韻を与えてくれます。