静かだけどはぐくまれてく想い合う愛があったり、頼りない主人公が意外に強い感情が出てくる場面があってよかった。
主人公のすずのキャラ、声優ののん、コトリンゴの楽曲、全体の絵や雰囲気と緩急のつけ方が、心地よく感じた。
しかしその背後には、砲弾の破片や焼夷弾の描写に垣間見えるリアリティーから分かるような、戦争というものの巨大さと、それに翻弄されつつも確かに生きる個別の物語や生活、というテーマがあった。
あまり重すぎず押し付けすぎずに見やすいこの映画は、きっと忘れ去られてく戦争というものを、考えたり伝えたりしていくには、良いプラットフォームとして機能するのではないかと思った。
自分の子供たちにいつか見せたいな、と思える作品だった。
クラウドファンディングで作られた、という背景も、この映画の物語性に感じられてよかった。