越後

この世界の片隅にの越後のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.2
戦時下、呉に嫁いだすず。
戦時下の人々の営みを丁寧に、しかし淡々と描いたアニメーション作品。

ほんと素晴らしかった。
朝イチの回で観に行きましたが、劇場は満員。
じわじわと支持率を伸ばしているのは聞いていましたが、まさかここまでとは!

私はまず原作を読んでいたので、ストーリーに関しては把握済み。
アニメになることでどう表現されるのか楽しみにしていたのですが、はっきり言って期待以上の完成度でした。
もちろん、2時間という枠の中なので、原作のエピソードは取捨選択されていて、アニメとしての「この世界の片隅に」として再構成されていました。

監督が徹底的に考証を重ねたということで、原作では省略されていた街並みなどの背景がしっかり描かれており、より人々の暮らしの現実感が強まっていました。
そのおかげで、日常にすっと忍び込んで、平穏を奪っていく戦争の異常性が際立っていました。
空襲のシーンは本当に怖いです。
いわゆる戦争映画はたくさん観てきましたが、こういう表現の仕方ってありそうで無かったので、すごく新鮮でした。
なんといっても、過去と今が繋がっている、という感覚が強い余韻として残ります。

のんの演技も主人公のキャラクターにマッチしていて、すごく良かった。
少しでも興味がある人は是非劇場へ。
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