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ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウンのtatsubのレビュー・感想・評価

3.8
ファンクの帝王ことジェームス・ブラウンのドキュメンタリー映画。去年見た伝記映画《ジェームスブラウン 最高の魂を持つ男》を相互補完するような内容だった。JBの人生を通してアメリカの歴史、音楽の歴史を立体的に理解できる。

とにかくパイオニアのパワーって凄まじい!パフォーマンスは終始電流が流れてるようで、軽いトランス状態になった。幼少期の壮絶な環境への反動がすべてエネルギーとして放たれている。ネガティヴもポジティブもない、そのエネルギーこそがソウルなんだと思った。

映画《ソウルガールズ》でこんな台詞がある。
「カントリー(・ミュージック)は喪失(lost)を歌う。ソウルも喪失を歌う。そしてカントリーでは、人はあきらめ、故郷に戻って嘆き、暮らす。だが、ソウル・ミュージックはそれを取り戻そうと闘う。失ったものを求めて必死にそれを探す。そのせつなさを魂を込めて歌え」

JBが体現する音楽そのものだ。
壮絶すぎて言葉にできないからpleaseだけ繰り返す歌に魂が宿る。繰り返しからファンクが生まれた。

そのエネルギーがマイケルやプリンスに受け継がれ、そのバトンをビヨンセ、ブルーノマーズらが手にしている。
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