アベ二ティKazumaAbe

イコライザー2のアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
4.1
シリーズ2作目。

人としての道を踏み外しながらも「こっちに来てはいけない、お前は踏みとどまるべきだ」と身を以て伝える姿勢。言い聞かせて分からない危険な奴にはこっ酷く思い知らせ、また罪の重さ次第で死をもって償わせることも。

悪人の処刑が自分に課された役割であると認識しているために、マッコールの拳には躊躇がない。誰かがこちら側=社会のダークサイドへ迷い込まんとするのを止めるために、彼の銃弾が、ナイフが、ハンマーがあるのだとつくづく思い知らされる続編だった。それはまさに法的・人道的な“正しさ”を纏わずとも、懸命に迷い生きる人間を応援する教育者の姿だ。

基本的に、彼はタクシーの乗客には親身に寄り添う。幸運な出来事があれば共に喜び、悲しい出来事に見舞われそうな客には機転で対応する。健全な世の中のためには暴力も辞さない。そうあらんとする意思一つで、彼は世間と繋がれているのだろうという解釈。この結構危ういところで保たれているバランスが観る側に絶大な緊張を齎す。これこそが『イコライザー2』の醍醐味だった。

ラスト、かつての戦友だった男の瞳孔が拡張していく様を見届け、その首筋を切り刻むマッコールの目には相変わらずハイライトが無かった…が、もしかしたら新たなる自身のステップを見出していたのかもしれない。

ただラスト周辺で見せられた、アシュトン・サンダース演じた画学生の絵、レンガ上のグラフィティアートはあまりにハイクオリティ過ぎたかも。ちょっとギャングスタかぶれしていた時の彼が言う「絵じゃ食っていけないんだよ!!!」との主張に「…いや、お前の素行の悪さが足引っ張ってただけなんじゃねーの??」という反論をかましたくなったり笑笑

いや、案外アメリカという国ではアートの世界でも人種差別が邪魔をしたりするのかも…ここはちょっと勉強してみようかな。