ナガサワ

スパイダーマン:ホームカミングのナガサワのレビュー・感想・評価

3.5
マーベル作品イッキ見16

マーベル作品をひたすら見続けているから、久しぶりにティーンエージャーの映画だった。
これあんまり言わない方がいいんだろうけど、アヴェンジャーズちょっと高齢化が進みすぎているような…
そんなわけでフレッシュな気分で鑑賞することができた。

僕は20年近く前のトニー・マグワイアがやってるスパイダーマンしか見たことがなかったから、そことの違いが面白かった。
1番の大きな違いはベンおじさんの存在。
過去作においてベンおじさんといえば「大いなる力には大いなる責任が伴う」の名台詞から分かるようにトニーパーカーを正しい道へ導く重要な役割があり、パーカーの力を持つものとしての葛藤が前作における結構重要なテーマだった。
しかし本作にはベンおじさんは登場しない。
ベンおじさんがいないことに気づいた時に、今回はパーカーの葛藤は無いのかと思って少し残念に思ったがそうじゃなかった。

本作ではパカーを正しい道に導く役目はアイアンマン(トニースターク)が勤めている。
つまりスタークとパーカーの師弟関係を描くために、本作ではベンおじさんが登場しない。
僕は前作よりこっちの設定の方が好きだ。
なぜならスタークの方がベンおじさんより圧倒的に説得力がある。
ベンおじさんは大いなる力の責任としてヒーローに守ってもらう立場の人間だったが、スタークは大いなる力の責任として人々を守る立場の人間だ。
当然後者の方がパーカーを導く上では適任だろう。
もともとスタークは武器製造会社の社長として力に対する葛藤は人一倍あっただろうし。

ヒーロー同士の共闘や対立はたくさん見てきたが、ヒーローがヒーローを育てる展開は初めてで、これこそマーベルユニバースの面白さだと思った。
今まではそれぞれのヒーローがそれぞれの正義の価値観で戦ってきたが、アイアンマンの正義がスパイダーマンの正義に影響を与えていくのはマーベルならではの面白さだ。
この関係性は今後も楽しみだ。

そしてロバート・ダウニー・Jrの演技は素晴らしい。
アイアンマン2で見せた調子に乗りまくっているスタークが好きだったが、シビルウォー以来、スタークがかなりシリアスになってきてそれがまためちゃくちゃかっこいい。
トムホランも愛されキャラが上手い。
生意気さがちょうどいい。

あと一つわからないのが、なぜスパイダーマンの糸を出す能力がスーパーパワーではなく、機械装置からの発射に設定を変えたのだろう。
分かる人がいたら教えてください。