浅野公喜

金星人地球を征服の浅野公喜のレビュー・感想・評価

金星人地球を征服(1956年製作の映画)
3.0
イカというかエイの干物みたいな金星人(と言っても一部世間ではカニ星人と呼ばれているらしい)がタイトル通り地球にやってくる、B級映画の帝王と呼ばれ現在も御存命(96歳)のロジャー・コーマン監督作品。

この金星人が50年代SF定番のチープ上等と言わんばかりに大暴れする様が観たかったものの序盤少しそれ以降は終盤の十数分に登場するのみで、むしろコウモリみたいな小さなモンスターの方が活躍しているというトホホな内容。しかしそのダメさ加減も製作から70年近く経つ今となっては寛大な気持ちで受け入れるのも正しい姿勢・観方と言えそうですし、少々退屈ですが金星人に乗っ取られた人間達と主人公の戦いや終盤の「人間は過ちから学ぶ」的なメッセージからは真面目な作風が。また、暗闇で目を光らせる金星人は(一瞬だけ)迫力が有りますしデザインはやはり強烈。物理的に「倒れる」ラストもご愛嬌。

「メタルギア」シリーズで知られるゲームクリエイターの小島秀夫氏は今作がフェイバリットらしく、メタルギアに登場するパラメディックというキャラにも今作を好きな映画と設定しています。

影響力を考えれば、偉大な作品かもしれません(笑)。
浅野公喜

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