百々子

光のノスタルジアの百々子のレビュー・感想・評価

光のノスタルジア(2010年製作の映画)
3.5
天文学研究の盛んな、乾燥したアタカマ砂漠。
届くのに遠い時間のかかる過去の光を、天文学者たちは追い求めてる。
そして同時に、このアタカマ砂漠は交通路だった歴史のため、考古学の見地からも重要な場所。

しかし、この場所で過去を追い求めてるのは学者だけではない。
ピノチェト政権の虐殺により、多くの「政治犯」がこの地に埋められた。
家族の遺体を探す人たちがいる。

アタカマ砂漠という場所の記憶を軸にして、
星、銀河、宇宙と虐殺、圧政というテーマを繋ぐ。
パタゴニアを舞台にした「真珠のボタン」と同じ手法で描く。

詩的なナレーション、映像美の中に
現実の苦しみの重さが見え隠れするドキュメンタリー。
百々子

百々子