せっちん丸

シン・エヴァンゲリオン劇場版のせっちん丸のレビュー・感想・評価

4.8
ここから書くのは14歳でエヴァンゲリオンに出会い、30歳でシン・エヴァンゲリオンを観た人間の殴り書きポエムです。

14歳のとき、テニス部のチームメイトで少し不登校がちな転校生、ケンジくんにエヴァンゲリオンのことを教えてもらった。スキー合宿のとき、エヴァの64のゲームがいかに怖くて面白いかをすごく語られ、帰宅してすぐに街に一軒のレンタルビデオ屋に向かった。ビデオ屋は今はもうない。

意味深な文字だらけのビデオのパッケージを手にした時のドキドキは今でも鮮明に覚えている。これまで好きだった少年漫画とは明らかに一線を画していた。

全く予測できない展開に、のめりこみにのめりこんだ。旧劇場版は30回は観たんじゃないだろうか。もちろん漫画も全巻買ったし、少年エースも買った。車で1時間のところにあるブックオフで考察本も買った。サントラは心の名盤のひとつだ。

一通りエヴァを見終わった1,2年後に新劇場版が発表された。大学生になって、最初の夏には破が公開され、サークルの仲間と観に行った。分岐を迎えたラストには涙が止まらず、あの日の大阪の夕焼けとバーミアンのあんかけ焼きそばの美味さは忘れられない。

Qを観たときのことはさほど覚えていない。ショッキングかつ、展開が目まぐるしすぎて、何回観ても内容が頭に入らず、今観てもずっと新鮮さがある。

そんなこんなで思い出を語ったけども、ついにシン・エヴァンゲリオンが公開された。

ものすごくつらかった時期に、なんとしてもエヴァとハンターハンターとキングダムハーツが完結するまでは生き延びるんや!とまで生き甲斐となっていたエヴァの終わり。ビッグイベント。

単なる物語というより、ひとつの少年期の終わりのように感じる。他の少年漫画なら、続編が生まれる余地や、物語の中でも、読者である自分の素知らぬところで物語が続くような終わり方をするけど、エヴァは完全に今回で終わるんだろうなぁという感覚があった。

そして、公開日の朝のチケットをとり、観に行ってきた。

感想。エヴァンゲリオンは本当に終わった。

一緒に行った同僚が買ったポテトは、夢中になって観すぎて、ほとんど余らせてしまった。2時間半の長丁場も、トイレが気にならないほど没頭した。

あのどうしようもなくも愛おしいキャラクターたちの新しい物語はもう生まれない。

思えば16年もの付き合いだ。なんだか、彼らが長い友達のように感じる。

素晴らしい映画でした。エンドロールの長さに関わってる人の数を知った。エヴァンゲリオンを僕に届けてくれたすべての方に感謝します。僕たちもずいぶん大人になった。

ありがとう、さようなら、すべてのエヴァンゲリオン。

あの日、ビデオを手に取ったときのドキドキは一生忘れません。