◆電気は昔から電気
2014年のフジロックのライブを中心に、過去の映像と関係者のインタビューで構成される電気グルーヴのバイオグラフィー映画。
古くからのファンにはわりあい既知の情報で構成されているなあ、という印象。逆に言えば、電気はずーっとラジオや書籍や雑誌で自分たちの置かれた立場についての情報を率直に、じゃんじゃん出していたのだなあ、と思う。そう思えば、この映画はリアルタイムで電気を古くから追いかけてきたファンよりもむしろ新しいファンに向けてつくられた映画なのかもしれない。
ただ「新しいファン」といっても、「電気のことを何も知らない人」はこの映画を見ないだろうから、最近電気のファンになった新しいファンに見てほしいという意図が働いているのかもしれない。とはいえ古いファンにとっても、既知の情報を電気当人以外の口から聞くというのは新鮮で、そういう意味では面白みがある。
