死刑囚の金田の情報は観客には一切伝えられない。面会の言葉も無ければ、遺書も白紙。
おそらくそれは、観客に、死刑囚の金田を1人の人間として見てほしいための演出なのだろう。(死刑になるほどの罪を隠している)
それならば、平井(刑務官)はその命と向き合い、再婚相手の家族を引き受ける覚悟をもっと持たなければならない。子供も金田と同じ絵を書いていて、金田の命を引き継ぐような隠喩が演出されているからだ。
だからこそ休暇との引換えに意味が生まれるはずだ。
しかし最期まで平井は只のヘタレで、全てから逃げていた事が、再婚の妻(大塚寧々)にバレてしまう。
妻の強い覚悟が救いな訳だが、その結末だと、今までの演出が生きていないよう気がした。