サンタムール

永い言い訳のサンタムールのレビュー・感想・評価

永い言い訳(2016年製作の映画)
4.7
主人公は自己顕示欲の高い人気小説家。監督がラブコールして、7年ぶりにスクリーンに戻ってきた本木雅弘が熱演。
劇中は、"ジタバ-タするーなよっ🎵"ってつっこみたかった私はやっぱりシブガキ隊世代(..)。。。
突然のバスの事故で亡くなった妻を深津絵里が好演。これは、深津絵里で正解と思います。夫を、支えてアゲて、落とす。
一見すると、妻には非の打ち所がないように見えるのは、深津絵里の透明感とか、清潔さ。だと思う。
物語は妻と一緒にバス事故で亡くなった親友の家族と、交流を深めながら、亡くした妻に想いを募らせる、ダメ夫のアレコレ。
この、妹がウチの娘と髪型とか年令とか、我が儘っプリが似ていて、感情移入してしまいます。
妹のために、色々我慢するこのお兄ちゃんの表情!ウチの息子にそっくり!
こんな口元は、言いたいことを奥歯で噛み殺してるんだろうな。

モッくんに、真実をついた突っ込みをするマネジャー役に池松壮亮。
あー。この感じは"海よりもまだ深く"で、ダメ男の阿部寛にもの申す役柄と被ってるよ。
池松荘介が言う"子育ては免罪符❗"
その通り。なんだけど、納得いかない免罪符だよね。
子育てのアレコレ。

子供に罪はないし。
ウチの夫もしかりなんですが、浮気しようとなにしようと、子供達には、良い大人だし、非難の対象外でしょうよ。

子役の演技も良かったですが、竹原ピストル❗
このヒト、なにするかわからない狂気みたいなものを表現するのが上手くて、モッくんに、暴力振るうんじゃないかってドキドキさせてくれます。
この、陽一というキャラクターは彼が演じたから、良かったのかな。
この、主人公のモッくんは妻を亡くしてから、壊れっプリが痛々しいです。
"妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛し始めた"というキャッチフレーズにある通り、自己顕示欲の強いナルシストな主人公は妻が亡くなって、初めて自分という人間を理解し、壊れて、無になり、どん底まで落ちてから、自分を愛するという事の本質を理解します。
それは終盤の、"人生とは他者だ"と言うフレーズで、解釈しました。

それにしても妻の残した未送信メール。
あれはイタイ。

でも、世の中の多くの夫婦が心に秘めている本心なのではないでしょうか。
だからこそ、深く突き刺さります。(..)

それにしても、深津絵里が演じる妻は、子供を成していないのにダメ夫を見捨てなかったのは、何故なんだろうかと、考えてしまいました。
愛していないと、いいながら、夫を、愛していたのか?
生殖機能に欠陥があったのか?
などと、色々考えちゃった。

子供を産むだけが女の人生とは、思わないけど、やっぱり結婚には、子供っていうのはカスガイな部分が大きいと思ったりしたのでした。
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