ポンコツ娘萌え萌え同盟

滅び行く民族のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

滅び行く民族(1926年製作の映画)
3.9
岩山に囲まれた西部、そこには多くの民族が去っては来る。そこにあるのは弱肉強食の世界。

内容的にはインディアンに焦点を当てた物語なのだが、一方で他作品に見るような白人とインディアンだけではなく、
西部史を序盤描いてるので先住民のCliff Dwellerを侵略するインディアンを描いてるのが非常に新鮮だった。

他にも歴史を描いた物語なので、様々な時代の戦い方を堪能できたし、エキストラも中々多くゾロゾロと迫力もある。特に上述したCliff Dwellerとインディアンが侵略してくる場面からもう惹かれる。しかも最序盤。
他にも戦いだけではなく西部のロケーションをそこそこ堪能できるのも美味しい。

そしてやはりインディアンの歴史とノファイエの立ち位置だろう。
戦闘民族であるインディアンの弱肉強食の歴史の上の最前世に立っていた戦士ノファイエの家系の男達。
つまり本作におけるインディアンの象徴。 

ただ弱肉強食の歴史の一方で白人とインディアン間で和平条約が結ばれるも、因果のように不毛の地に追いやられたインディアン……約本編30分後から終わりまでフルでその背景にあるノファイエの青年とアメリカを描いてる。

象徴の家系の名を持ち一人の紛れもなくインディアンの男である一方で、
アメリカ人の美しい女性のマリアン・ワーナーを慕い白人の聖書を学んだり、アメリカ人として戦争に参加したり先祖達のノファイエとは一線を画すキャラクターでもある。
それでも聖書で思想に差異はあるが……、彼がその思想に少しは理解したに涙した。