さすがスピルバーグと言わんばかりの力作。
この映画を通して我々人間が学べる教訓は、"テクノロジーとの距離の取り方"であろう。
様々な細かい描写や台詞に、テクノロジーに支配される人間の末路が見出されている。
一方で新たな希望やバーチャル世界のおかげで得ることのできるテクノロジーの恩恵にも丁寧に触れられている。
これからの未来、否が応でもテクノロジーと共存していく人間にとって、どうテクノロジーと距離をとるか、という至極重要な命題が投げかけられた一作に感じた。
バーチャル世界を軸に、リアルの生活や人間関係が崩れ始めるが、バーチャルでの新たな気づきをしっかりとリアルと対比しながら棲み分け、バーチャルでもリアルでも変わらない重要な事実や、リアルで忘れられがちな大切な真実、たくさんのことに気づかされた。
「現実は辛いし苦しいしいいことばかりじゃない。でも現実世界でしか味わえない。うまい飯は。現実だけが、リアルだから。」