Chiaki

セトウツミのChiakiのレビュー・感想・評価

セトウツミ(2016年製作の映画)
3.5
菅田将暉良いよ!

え!高校生が喋るだけの映画??
邦画そこまで観ないけど、楽しめるかな?と思っていたら、あっという間でした。実際75分と、かなり短い映画なのですが。

YouTubeでみられる、予告のショートムービーの完成度もかなり高いですよね。下手したらあれで満足して、映画はいいや、なんて人も出てきそう(^^;;

がしかし!今を輝く若き映画スター同士がとにかく話すだけという、なんとも贅沢(?)な75分をぜひ映画館で堪能してほしい!です。
もちろん派手なアクションなんてないけれど、あの大画面、そして外部の情報を完全にシャットアウトしたあの空間だからこそ、感じられる面白さがこの映画にはあると思います。とにかくシュールで笑える漫才のような2人の会話。電車やレストランの中で聞こえてきた高校生の会話に、聞き耳を立てている気分でした。映画館なら思わず吹いても、オーケーですよ!笑

少ない登場人物の一人ひとりがとても個性的。でも決して現実離れしていなくて、例えば瀬戸の思ったことをそのまま言ってしまうところや、何が面白いのか他人には到底理解のできないゲームをいきなり始め出すような少し幼稚な性格は、高校時代の自分を思いながら「私もあの頃は何にも考えてなかったなぁ」と懐かしんだり、逆に真面目で、普段使い慣れない難しい言葉で鋭いツッコミをバシバシいれてくる内海は「あんなやついたなぁ」と今まで気にもかけなかった誰かを思い出したりと、高校生を経験した人なら共感できるんじゃないかなという部分がありました。

しかし、私は疑っていました。
なぜなら、最近の邦画における傾向として、かなりの確率で主人公には何かしらのハンディキャップまたは辛い過去があるから。世間から「かわいそう」と同情されるような人間でないと、多くの人からの賞賛や共感は得られない。この映画もまた、瀬戸に辛い過去があるか、内海が周りから将来への重いプレッシャーを受け、苦悩しているに違いない…。と。
そんなへそ曲がりな私をお許し下さい。


普通にどこにでもいる高校生でした。

うん!なんかありそうで、何もない!
だから深く考えずに、自然に笑えたというのが一番良かったのと、別に特別な人間でなくても、ただ友達としゃべる、好きな人の事を考える、そんな変哲のない日常も立派な人生だし、まぁ良いよね!なんて思えました(*^^*)
そんなことで、邦画もたまには良いですね。
Chiaki

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