ohshima

マーズ・アタック!のohshimaのレビュー・感想・評価

マーズ・アタック!(1996年製作の映画)
5.0
四半世紀を過ぎた東の島国ではこの下らない不出来な映画がここまで生々しく響いてしまう。怪物は常に古来より実在の外敵、脅威のメタファーだった。吸血鬼は黒死病を暗示し、両面宿儺は中央権力に抵抗する反乱分子が姿を変えたものだった、ホッブズが国家をリヴァイアサンになぞらえたこともあるいは象徴的?逆説的に言えばこれほどまで愚かな為政者と防衛体制を描くのであれば、釣り合うエイリアンはこのような滑稽な姿を取らざるを得なかったとも言える。誤算はそれほどまでにただただ愚かな権力というものが実際に存在してしまった現在である。誰が一体それを想像し得ただろうか? 現実のIndian Love Callはレコードではなく注射器の形をしているが、それは我々の頭上に響くことはないのである。
ohshima

ohshima