李仁古

マグニフィセント・セブンの李仁古のレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
1.5
この映画は1961年に日本公開された「荒野の七人」のリメイク作になります。更にその基になったのは1954年に公開された「七人の侍」です。

本作は全く新しい「荒野の七人」という感じですかね。基本的に西部劇で黒人の俳優はあまり良い役をもらえないのですが、デンゼル・ワシントンがリーダーとなり六人を率いるという今のハリウッド事情にメッセージを残す様な感じかもしれないですね。他にも韓国からイ・ビョンホン。メキシコからマヌエル・ガルシア=ルルフォ。ネイティブ・アメリカン系のマーティン・センズメヤー。と本来なら西部劇でメインになる事はない異色な作品。

それでもリスペクト要素もあるし、胸熱なシーンもしっかりとあります。個人的に好きだったスティーヴ・マックイーンのセリフもあったし、「荒野の七人」のテーマ曲も流れて心が踊った。

でもこの作品はリメイク作としてではなく、全く新しい西部劇として作ってほしかったです。カッコいいシーンもありますし、胸熱な展開もありますがリメイクにしてはパンチが弱い。ジェームズ・ホーナーの音楽もあまり印象に残らない。悪役も小物臭しかしない。村人の必死さもあまり感じない。クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン以外はほぼオリジナルのキャラクターになっていますし。

楽しみにしていただけに残念な作品です。
李仁古

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