ファンタジーなのに現実的で、ポップなのにシニカルで、コメディなのに痛いところを抉りまくる、そんな映画。死について考えたことがきっかけで実存がゆらぐっていう哲学的始まり方からしてもう釘付け。とにかく対立構造に目を向けるようにしてる。家父長制は確かに問題だけど、それはケンをぞんざいに扱ってたバービーたちにも言えることで。なんであろうと他者を蔑ろにしてはいけないし、そうさせるような制度に洗脳されてないか、立ち止まって考えなさいね、と言われているように感じた。正直、グッとくる場面と同じくらい説教臭すぎるところもあったけど、個人的に一番良かったのはラストシーン。あのセリフ一言で未来への不安と希望の全てが表現されている感じが最高にロックです。