スコセッシノワール、ここに極まる。
義理堅いカタギのトラック運転手フランクがいかにして裏社会で登り詰めるのか。
戦後のアメリカを舞台に、実際にあった労働組合代表であるジミーホッファ失踪事件を、フランクの回想形式で描いた3時間半にも及ぶ超大作。
私たちはマフィアたちの四季の移ろいというか、
栄枯盛衰ぶりをありありと見せられる。
ロバート・デ・ニーロ主演作品を数多く手掛けてきた監督が、彼を主演に据えて描きたかったものを出し切った、おそらく最後のノワール作品であろう。
タクシードライバーのような狂気に至るまでの描き方、
レイジング・ブルのような暴力性、
キングオブコメディのような権力への執念、
グッドフェローズのようなジョーペシとの魅力的な掛け合い、、
どれも包含されている。
もちろん、腹立たしいほどに凶暴なアル・パチーノ、不気味な男ジョー・ペシも健在。
本作を観ればきっと御三方が今なお現役でおられる理由がわかるはず。
贅沢な時間をゆっくり味わうとしよう。
記念すべきFilmarks記録500本目の作品。