ShigeyukiFuruta

ノクターナル・アニマルズのShigeyukiFurutaのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.2
大好きな俳優「ジェイク・ギレンホール」出演なんでとりあえず見てきました。高名なファションデザイナーの方の監督2作品目。映像はさすがファションデザイナー。とても美しいです。
アートディーラーとして周囲からは成功者として見られるスーザン。でも夫はあんまり構ってくれないし、なんか仕事の情熱も冷えてる感じで、心に隙間がある様子。そんな彼女のもとに元夫から小説が送られてきて…
映画のチラシにはその小説が「愛か、復讐か」ということが書かれてあり、スーザンの心理的変化や夫の関係を過去と小説の話と現在の3つの軸で描かれます。小説が愛なのか復讐なのかのは、鑑賞者の判断に委ねられる抽象度の高さがあり、非常に考察深い作品です。
また、それぞれの軸で「弱さ」というテーマが出てきます。愛か復讐かというストーリー解釈と共に、このテーマについても考えさせられます。人間が持つ普遍的な課題として「弱さ」を複数の軸や視点で描く。頭がこんがらがります。
抽象度が高く、普遍的だからこそ悩み深く、鑑賞後も尾を引く作品です。