元夫から送られてきた小説に翻弄される主人公。その意図は、愛なのか、復讐なのか。
映像の芸術性の高さが、大きくストーリー性を支えている作品。
自らの意思基準と選択を顧みる主人公から、価値観が変わっていくことの正当性を考えさせられた。内なるものの変化によって、大きな選択をすることは、誰しも経験のあることだと思うが、果たしてその変化というものは、良き変化といえたのか、ただ無意識に欲に駆られた変化であったのかは、のちにならないと自分では気がつかないものなのかもしれない。淡々と描かれるストーリーでありながら、深く考えさせる面があったのは、直接的に元夫の意図を描かずに、元夫が書いた小説の内容を主軸にしたことが大きいだろう。
