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ストーンウォールのryodoのレビュー・感想・評価

ストーンウォール(2015年製作の映画)
4.9
映画を鵜呑みにせず正しい忠実を。

1969年に起きた同性愛者たちの権利運動「ストーンウォールの反乱」を実話をもとに描いた人間ドラマ🏳‍🌈

LGBTの歴史上、こんな革命的な事件があったとは知らなかったなぁ🤔
実は同性愛者らしいローランド・エメリッヒが監督してるのが1番の驚き。

田舎者の学生ダニーがゲイを理由に家族に見放されてしまい、自由を求めてニューヨークで成長していくお話🇺🇸

『ゲイ=精神病』扱いされる時代。
ゲイと分かれば家族と絶縁(理解のある妹ちゃんだけは天使✨)、学校も行けない、働く場もない…そうやって行き場を失ったマイノリティな若者がこんなにいたのかと、NYのゲイ街を見て唖然。主人公が警察にさえもリンチされるシーンは胸が痛んだ😖

まともな家もない彼らが、生きるために売春に走る様子もリアルに描かれてる。マフィア絡みの強制売春なんてあったのか…恐ろしい😨
ただ、ダニーの場合“白人でイケメン”な学生だからゲイたちの格好の餌になってて、お金には困らないという…全体的に外見至上主義なのは否めない💦

(単に演じてるジェレミー・アーヴァインの顔が良すぎる(笑)『17歳のエンディングノート』を観てから好きになったけど、本作の熱演を観てますます👍)

そんな生きづらい世の中を過激に生きるオネエさんたちのキャラが濃い!(笑)
彼女たちのような革新派と、話し合いで解放運動を地道に取り組む穏健派が共存してるのは興味深かったな🤔

革新派がゲイパワーを行使して警察に反旗を翻す終盤のレ・ミゼラブル的な革命ムードは胸熱❗小さなゲイバーで起こった『ストーンウォールの反乱』…これがゲイ解放運動の始まりであり、現在の「プライドパレード」に直結してると思うと、名も無き英雄たちの勇気ある行動に感動を覚えた😭👏


しか〜し!!⚠観る際は要注意⚠

実はこの映画、アメリカ本国で「歴史改ざん」と大批判を食らって、ボイコットが起きたほどの問題作⚠️

というのも…実際は有色人種とトランスの人たちによる功績なのに、架空の白人青年を反乱の火付け役にしてしまったのが1番の問題点とされてるらしい。
事実とフィクションを中途半端に混ぜて、忠実を捻じ曲げちゃった感じか😅 

そりゃ批判されるわ(笑)

個人的にはツボな満点作品だったけどソレを考慮して−0.1…惜しい。
エメリッヒさん、惜しいよ。
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