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ハッピーエンドの選び方のmmyのレビュー・感想・評価

ハッピーエンドの選び方(2014年製作の映画)
4.5
要らないところに笑いがあったのがちょっと気になった。テーマが重い分見やすくするための工夫かもしれないが、感情が喜怒哀楽の様々な方向に振れすぎた。重いテーマだからこそ深く安楽死に向き合う形でもよかった。

ラストには賛否両論あると思うが自分は賛成派。自分も同じ決断をすると思う。祖父母の半分が認知症になってる/なってた状況に自分自身がいて感じることは、やはり「自分で意思決定できるうちに自分の最期を決める」ことは人間としての最後の尊厳や権利として存在するということ。そしてそれは医療が発達している現代だからこそ必要性が出るわけで。

けれど同時に、この考え方は裏を返せば、認知症が進行して頭が正常ではなくなること=「人間らしさ」の構成要素がなくなる、極端に言えば「人間としての価値がなくなる」という思想にも繋がる。ナチスは障害者などの社会的弱者も処刑していたらしいので、一歩間違えればそういう思想に転化されてしまうリスクも内包しているのかもしれない。
人としての「尊厳」と人としての「価値」は別物として考えなければいけない問題だなと思います。
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