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20センチュリー・ウーマンのwtson322のレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
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21世紀の家族映画。
血が繋がっているいないじゃない、頭から同じ匂い出してるのを家族って言うんだ。って坂元裕二も言ってます。
アネットベニング演じるシングルマザーとその息子、そして彼らの同居人と隣人たちが織りなす群像劇。マイクミルズの色彩センスと挟み込まれるバイオグラフィー的なトリッキー演出が功を奏してポップながら重厚なドラマになっている。
思春期の息子に対して、素のままで向き合おうとするお母さんがかっこいい。親や保護者を”ひとりの人間”として捉えられるようになるのは一種のイニシエーション。
エル・ファニングもさることながら、ベストアクトはやはりグレタ・ガーウィグ。”フランシス・ハ”に引き続き、「無責任女子」を演じることにかけて彼女の右に出る者はいないのでは。ちなみに”Jackie”の彼女も名演。
あと、彼らの住む”家”は天井に穴が開いていたり、足場が外に組まれていたり、アネットベニングも劇中ツナギ姿で階段の修復をしていたり、とりあえず修復中なのだが、人間の成長に必要なのは修復なのか破壊なのか、考えると面白い。そう言う意味ではジェイクジレンホールの”Demolition”と対比して観るのも良いかも。同じカテゴリーに入る映画。
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