うさこふ

20センチュリー・ウーマンのうさこふのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.0
登場人物がみんないい味出してる。これといった出来事はないのに全く飽きなかった。
しかし、いい映画と思うけど、個人的には残るものがあまりなかった。
それは第一に70年代のアメリカの空気、社会状況政治音楽に親しんでないせい。逆に言うとこれを知ってる人はたまらない映画と思う。
第二に、監督の個人的な経験に基づく映画なので、どこかしらに共感できる部分がないと映画と一定の距離ができてしまう感じ。母なり息子なり重なる境遇があれば特別な映画になると思うけれど、そういうのがないので登場人物たちのやり取りを楽しんだわりに、ちょっと冷めた感じで見てしまった。
それにしても、あれだけ人物描写がしっかりしてるのに母の描写だけはなんだかぼやけるのはやっぱり身内だからかなあと思ったり。親しい人を客観的に描くのは難しい。
あともう一点、タバコ吸ってばかりでタバコが大の苦手なので見ていてあまり気分がよくなかった。吸い過ぎ。

以上は試写会で、早く感想書いてくださーい!の催促ありだったので鑑賞後直ぐに書いた。でも。

自分には接点のない映画、と突き放していたのに鑑賞した夜に母の夢を見た。おもいっきり影響受けてるし。何も残らないと言いながらエルファニングの姿がふぁーっと思い浮かんだり、ポスター見ると懐かしい気分になったりで。誰かに見守られるっていい!の映画だった。評価も3.6から4.0に変えた。

やっぱり映画の感想って少し寝かせないとね。
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