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レディ・バードのsongsillyのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.8
本当は好きなんだけれど、それが自分自身でも分からなくなってしまうことってあると思う。

この映画の主人公(レディバード)もきっとそんな人だと思う。
地元から出たくてしょうがなくて、母親から離れたくてたまらない。でも、映画の観客や一部の登場人物(シスターやお父さん)から見ると、彼女は曲がりなりにも地元やお母さんに愛着を持っているように感じるのだ。(お母さんに関しては傍から見てもなかなかの曲者ではあるが)

時間の問題か、距離の問題か(ハリネズミのジレンマ?)、主人公はそれらへの愛情を、独り立ちして来た、はるか遠く都会のニューヨークに来て実感する。
彼女はそこでクリスティンになり、教会にふらっと立ち寄る。そして、前は飛び降りるほど嫌だった、母親(大人?)と同じ視点で見た、車窓からの地元の景色に思いを馳せるのである。

自分も高校卒業と同時に地元を出たので上記の要素が特に響いたのだけれど、この映画にはその他にも、友達、恋人、学業などの、様々な学生時代のモヤモヤが詰まっている。
人によって響く部分が違いそうなので、他の人と一緒に見て感想を言い合うと面白いかも笑
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