タミキーリ

レストレポ前哨基地 PART.2のタミキーリのレビュー・感想・評価

3.7
前作で共同監督だったヘザリントンがリビア内戦取材中に亡くなったため、ユンガーが一人で未使用シーンを編集したもの。
前作のように抗戦する映像よりも、兵士たちへのインタビューに重点が置かれていて、「勇気とは」「好きな兵器」「また戻りたいか」などに答える。

印象的なのは、前作の最後に「もう戻りたくない」って言っていた当人が、インタビューで「ここよりはまし、戻りたい」と話していたこと。敵と対峙して銃を撃ちまくっている様子が流れるが、ほぼゲームのようなテンションの高さで遊んでいるかにも見える。

「人を撃つのが楽しい」とも堂々と言い、そこから離れて普通の生活ができるかどうかという質問に「できる」とは答えない。
あんなに過酷で「死の谷」とも言われた基地での日々を懐かしむ様子を語る兵士は、他にも何人もいた。家族よりも強い結びつきというのは、こういった戦争もので何度も語られるし、今観ているシールズのドラマでもことあるごとに「家族」だと言うセリフがある。

一人の兵士の言葉が強い印象。『家族は同じ血が流れているかもしれないけど、一緒に血は流さない』彼らのみの感覚。

そういった仲間との結びつきは「勇気とは」という質問での答えで返ってくる。
『大切なのは仲間だ。
だから銃弾の中で戦ってる仲間を守る。
それしか考えない。

勇敢な行為は、一緒に来た仲間と助け合い一緒に帰ることだ』とか、『僕が思う勇気のある行為とは、例えばいざという時に、自分の命を顧みずに行動を起こせることだ。他人を助けるためにね。』という答えに表れていると思う。

怪我をしていても部下を気にする軍曹の姿について、「あれこそが勇気だ」と語る姿。彼らの求める「勇気とは」。

アフガンの村の人たちについても語っている。物資を彼らへ渡しても、それがそのままタリバンへ流れるという。裏切っているというよりも、タリバンからの圧力もあるのだろうが、米兵からしてみれば「握手をしたその手で、タリバンとも握手する」わけで虚しさはあるだろう。

エンドロール時に兵士の写真が流れるんだけど、カメラマンの腕がいいのか、みなさん俳優みたいな感じでノンフィクションドキュメンタリーなことを忘れそうになりました。