ハッピー包囲網

ダウンサイズのハッピー包囲網のレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
4.5
自分にとっては、大切な作品になったー!

やっぱアレクサンダーペイン、めちゃくちゃ大好き!!
いつにも増して地味作品だけど笑

フィルモグラフィーを通じたテーマは『何でもない人生同士の邂逅、生きる意味の見つめ直し、どう生きるか改めて意思決定』だと思ってるけど、今作もそうでしたね。

意思決定、色んな結論がありますね。
もとい、生きる意味を見出すことでもあって、過去作の主人公は夫々の結論を出してきましたね。
必要としてくれる人のために生きる『アバウトシュミット』、一緒に生きていく『ファミリーツリー』、それでも信じて生きる『ネブラスカ』、今作は【今に生きる】でしょうか。

アレクサンダーペイン作品が優しいのは、どれもそうだけど、どのキャラクターも悪モノとして描かない!
現実もそうだけど、悪いヤツもそいつなりの倫理と道徳で、観客の裏面で生きてたりする。
そこを否定しないのがとても優しくて、いつも本当に救われる。
(ex今作だと最後の太陽を見てる彼等のしんみり真剣な涙を丁寧に描くとか。『ネブラスカ』ならクソ兄弟やクソ街人の楽しそうなことよ)
『全員悪人.でも善人でもない』というか、めっちゃフラットだからこそ、観てて芯にクる感じ。

今作のテーマは、Kairos(カイロス)とChronos(クロノス)の神様じゃないけど、そこについて考えさせられた。

誰かの役に立つ使命感とか、世の行く末とか、大義名分に酔いたくなるじゃん。
『ソレってホントだけど、アナタにとっても本当にホント?』って毎回聞かれる。

さて、ボクはどう生きよう?

個人的な最近のテーマに近くて、ボクもKairosに生きたいなって、日々思う。
あのミニチュア出口爆破も『意外と大したことないかもよ笑』っていうメッセージかもね笑

SDGsとかのたくる前に、まずは今日のご飯に沁み入って、ニコニコ美味しく食べてみよう。誰かと話す時はなおさら。
(あのオジー、めちゃくちゃ美味しそうに食べてたね笑)


とはいえ、過去イチ地味だと思います!ツマらん人も沢山いるの分かります!
でもさらに、イーストウッドみたいに削ぎ落として枯れ芸になっていくだろうな〜

でもボクは好き。
優しくて強い(弱い)人間賛歌。
まさにアレクサンダーペインの映画でしたね〜!