Ghassoul

ソーセージ・パーティーのGhassoulのレビュー・感想・評価

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)
4.1
正直期待していなかったし、評判通り下品なだけなのかと思っていた。それが思いの外、ストーリーは濃いものであり、その中で道徳的にも社会的にもアウトな部分を一切気にせず全力でふざけてやりたい放題。
ここまでやられると寧ろ清々しい。

未知の世界に対しては、誰もが憧れであったり理想のイメージを創り出してしまいがちというのはあるけど、結局それはそうでもしないと自分を保てないからであり、そういう人たちのその心の支えが無くなったことを考えると恐ろしい。所謂宗教なんだけども。

作中での "天国" は実際は悪夢のように恐ろしい所だけども、いずれは誰もが行く運命にあり、そうでなければ "地獄" 行き(廃棄)になってしまう。いずれにせよ必ず死が待ち受けているという点も人間界と同じで、希望に溢れた神話を創り上げて秩序を保とうとする。
これが果たしてよいのかどうかという哲学的な部分も改めて考えさせられる。

宗教、哲学、差別、性、ドラッグ、様々な問題に触れられた密なストーリー構成であるにも関わらず、全力でふざけているせいでそういった部分が霞んでいるけど、「これが人間という生き物だ」という強いメッセージを感じる。
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