オーウェンウィルソンスキ

ルームのオーウェンウィルソンスキのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.1
7年間ないし5年間のうちに生まれたroomと世界とのギャップ。roomで生まれ育った息子にとっては世界の広がり、監禁され隔離された母親にとっては世界の変化。ギャップはギャップでも母親の場合には自分の居場所を見出せなくなってしまう程のギャップ。それは当然だと思うなあ。roomでの日々も現実であり、変わり果てた世界も現実なんだ、はい、そうですかって受け入れられるほど人間って強くはないでしょ。要は、自分を見失ったときに果たして自分をリアルな人間として意識してくれている人がいるかどうかってとこだと思う。そういう意味で息子は自分を現実に繋ぎ止めてくれる唯一の存在だったんだよね。髪の毛の束は7年間の記憶と記録が詰まった彼らにとってはアルバムだったんじゃないかな。過去を振り返らせて確固たるものにしてくれるものが写真や文字じゃなくて髪の毛だったってこと。それってすごいよね。