良くも悪くも、役者の演技力で魅せる映画だった。
文句なく、トレンブリィ君の演技は奥行きがあったし、ブリー・ラーソンの複雑な胸中を体現していたし、ジャックの母親と娘としての自分の両方をうまく表していた。
ただ、プロットがうすっぺらいなあ。2時間の映画で全てを描くのは土台無理な話だけど、もう少し踏み込んで欲しかった。
誘拐犯が普通の男過ぎて、誘拐の背景が全く見えてこないし、前半の誘拐犯とラーソンの関係性に納得感がゼロ。誘拐犯に限らず全体的に、もっと人物像を掘り下げないと感情移入は到底無理。
ここは思い切って、ジャックの視点だけで見せるとか、観客の視点に縛りをきかせるとか工夫すれば少しは見方が変わったかも。
ジャックのことを受け入れられなかったおじいちゃんはあれっきり出てこないし、ジャックは当面の環境に慣れただけで、これから大変なことがたくさん待ってる。ラーソンの母親としての成長など、ネタの宝庫なのに。
映画ってより、ドラマ形式で長々と見せていかないと伝わらない内容なのかなー。
期待し過ぎだったのかも。