5歳の誕生日。
その日の朝から、物語は始まる。
ジャックは、生まれてからずっと
「部屋」の中にいる。
へその緒は、ママがハサミで切った。
オモチャは手作り。
日曜日の差し入れだけが、新しいモノを連れてくる。
ジャックは、外の世界を知らず
平穏に暮らしていた。
そんなある日、母親が脱出を企てるのだった。
とにかく、ジャックがかわいい！
女の子みたい。笑
でも、本当に勇敢に、ママを救ってみせる。
彼は、ママの唯一の生きる望み。
ただひとつの、真実。
世界ってそういえば
こんなに明るかったんだ。と思った。
空とか、葉っぱとか、
当たり前のように目にしているものが、
どれだけ美しいか。
以前、雨を初めて体験して、
ものすごく感激している女の子の動画を
見たことがあるけれど、
そういう感動を、残念なことに
人は覚えていられない。
部屋の中にも恐ろしさはあるけれど、
むしろ外に出てからの、
ママの絶望とかも新鮮だった。
部屋の中にも外にも、
ぬけがらになる理由はいっぱいあった。
この世界は、広すぎて時間が足りなくて、
バターを薄く伸ばしたようだ。
本当にそうだね、ジャック。
「きっと気に入るわ」
「なにを？」
「世界よ」
しかし、これが実話ベースであり、
実話のほうがよっぽど残酷だというのが
本当に信じられません。。
