ふぅ

ルームのふぅのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
気になってたけど、あらすじを知って、こわくてなかなか映画館で観る勇気が出なかった映画…レンタルでやっと鑑賞。
これはーーー観てよかった!つらいけど。

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誘拐から7年間の監禁生活…とは言え、バイオレンス、サスペンスな要素はほとんどなくて、むしろヒューマンドラマがメイン。なので意外とヴジジュアル的にこわいシーンはほとんどなくて(精神的にはやられるけど)思ってたのと違って、全然苦手な映画じゃなかった。

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前半は親子の脱出。
オープニングの親子の生活は、その違和感の演出がすごくドキドキする。
生まれてからずっと「部屋」でしか生活していないジャックにとっては「部屋」こそが全てで、壁の向こうに世界が広がってるなんて疑いもしない。「部屋」にあるものだけが本物。そんな彼に外の「世界」の存在をはじめて教えるジョイのつらさ。
それをきいて、今までの生活を、思い出を、自分を、大好きなママに全否定されたようで悲しいジャックのつらさ。ほんとうにつらいやりとり。
はじめて見る大きな空のシーンは、クサヴィエドランのMommyのスケボーのシーンと似たものを感じて、(もう言い表せないいろんな感情が折り重なって)うぁ〜!!!ってなる!!!


後半は外の世界。
浦島太郎じゃないけど、外には外の世界の“7年間”が進行しているのを感じたときのジョイのつらさ。もしも普通の女の子のように普通に過ごせていたら?もう絶対に戻ってこないその7年間はすごく悲しくて辛くて悔しくて、これからもずっとずっとつきまとう。

号泣ってほどの大きな感動と言うよりかは、地味で小さな感動が連鎖していて、ひとつひとつの小さな部分に、周りの人のちょっとしたセリフや、ジャックの表情、行動に、何度もホロリと泣いてしまった。とにかくジャックの成長をすごく感じるし、それが救い。

最後、大好きなママを独り占めできた「部屋」とお別れして、新しく広がる未知の「世界」に一歩踏み出すジャック。うぅ〜もう、ただただ親子の今後の幸せを願うばかりです。。。
ふぅ

ふぅ