かにみそ

ルームのかにみそのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
ヒリヒリするシーンの多い前半の監禁パートをやけにあっさりクリアして、「あれ、こんなクライマックスを早い段階で迎えて大丈夫か?」と謎の油断をしていたところに、後半あんなにも心をえぐられるとは…。一歩間違えば自分にもこのような惨劇が起きてしまうかもしれない、という隣り合わせ感=リアリティがものすごくて、特に後半は「これ以上そんな辛い思いを俺に共感させないでくれ!頼む!」と胃をキリキリさせながら見た。これはひとえに、心を病んでしまった母親役を演じたブリー・ラーソン女氏の名演のたまもの。自分の娘にまで手を出してほしくないからあくまで「息子」と言い張っていた(たぶん)ところとか、事件の情報に触れてほしくないからスマホを持たせない(たぶん)ところとか、言外に伝わってくる母としての想いがハンパない。正直辛いシーンが多くてもう二度と見たくないけど、名作でした。
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