素晴らしい映画だ。
「ガルパンはいいぞ」の名言を生み出すのも納得であった。
僕はテレビアニメ版12話を全て見た後、ガールズアンドパンツァーの熱はすっかり冷めていた。
もちろんそこそこ面白かったことは覚えていたが、それだけだった。
そんな時、この映画の広告を見つけた。
しかし、それは僕の視界には入らなかった。
いい歳した大人が、わざわざ劇場まで足を運んで深夜アニメの映画を観るなんてはずかしい。
その時の僕は間違いなくそう思っていた。
しかしそれは違った。
それから少しの期間をあけて、ちらほらとこの映画についての感想を見た。
最初は何を言ってるんだと相手にもしなかったが、あまりにも多く入ってくる絶賛の嵐に、僕の好奇心はくすぐられてしまい、そうしていつしか、自分であれほど馬鹿にしていた深夜アニメの映画を劇場に観に行く恥ずかしい大人になっていたのだ。
この映画を見終わった後、僕の席の左斜め前に座っていたスーツ姿の男性(おそらく仕事帰りに僅かな時間を見つけて本作を観に来たサラリーマンだったのだろう)が、ハンカチで涙を拭いているのが見えた。
その時僕は彼を馬鹿にする事が出来なかった。
なぜなら僕もまた泣いていたから。
その姿は側から見て、深夜アニメの映画で泣く恥ずかしい大人であったことだろう。
しかし、そんな事は気にもならないほどにこの作品は素晴らしかったのだ!!
その後僕はこの映画を7回劇場で見た。
(言っておくがこの作品は1度では決して理解しきれない。時間当たりの情報量が多過ぎるからだ。)