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若き詩人のislandのレビュー・感想・評価

若き詩人(2014年製作の映画)
3.5
ダミアン監督のトークショーつきで鑑賞。
監督のトークを生で聞くのは初めてだったが、監督が海辺の町出身であること、元ダンサーであることから、作品の背景を捉えようとするあるお客さんの質問に、ああシネマファンだと感動。
以前の作品で組んだ主役の子の動きの不思議さ、不器用さが気に入っていたらしく、その動きをよく捉えているのが面白かった。これでもかというぐらい浮いていて痛いんだけど、どこか他人事と思えなかった。自分自身の不器用さというか危うさみたいなものを省みた。
もう1つの軸として、才能への悩み、将来設計への不安というものがあり、こちらもまた自分と重なるところがあり、でもまあ挫折とトライを繰り返しながら、しっくりくるのを探していくしかないのかなあと思った。
BGMがなくて、撮影もほとんど固定したカメラからのショットで、何度も同じところがでてくる、そして劇的なことも起きない、という映画の中では最も静かで、眠くなりやすいタイプのものだった。そのため眠かったけど、そういうリラックスした状態でぼんやり自分を省みる、ちょうどバカンス先でうつらうつら本を読んでいるような感覚に導かれた。という意味で、狙い通りなのかなとも思う。
主演の男の子が役者本人70% 演出30%らしく、フィクションとノンフィクションが混ざり合う、半分ドキュメンタリーという作り方が面白いなと思った。作品に向かい合う役者や監督の人生まで作品の一部として作品の世界をぐわあっと広げて深めるという面白さを感じた。
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