とり

ナショナル・シアター・ライヴ 2016「ハード・プロブレム」のとりのレビュー・感想・評価

3.0
ハードプロブレム、物質である脳からどのようにして主観的な意識が生まれるのかという問題。
正直見終わった瞬間に断片的にでも書き留めておくべきだった。
考え方の対立や感情、行動の全てがハードプレブレムに帰来するようになっているのも面白かったのにしっかりと覚えていない。
興味深く、もう一度じっくり見たい気もするが…するっと頭に入るだけの理解力が私に足りない。
専門の(噛み砕いてくれているが)難しい会話が進行の土台にあったので、分かったつもりになっただけで他者に改めて説明できないレベルの理解では外壁である脳科学ハードプロブレムに関しては薄れ、中核に据えられた一貫して彼女が持ち続けた気持ちだけが印象に残っている。
過去に里子に出した子供について幸せでいるのか知りたいと思っても、手を離してしまった母親として彼女が出来ることは祈るだけで…だからこそ主人公は人の本質が善であることを、自分の子供が良い人に囲まれて幸せに暮らしていることを信じたいのかなぁと。
観客には主人公の求める答えが、ああこの子がそうなんだなと割と早い段階で提示されているので、ラストの展開に私は昇華よりも小さな安堵を得るだけで終わった。
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