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ジョン・F・ドノヴァンの死と生のKGRのレビュー・感想・評価

4.5

やっと観れた〜〜

トーマの心臓を彷彿とさせる物語構造。トレーラーとかあらすじから文通や手紙がキーなんだと思っていて、映画で手紙を扱って成功してる例をあまり知らないからどうなるんだろうと思っていたけど、文面とか手紙自体はさほど重要じゃない。手紙を書くことで何のやりとりをしていたのかってこと。(萩尾望都先生は「天国へ至る羽」と描かれた……)

ジョンの家のママがずっとドランが描き続けてきた"ママ"だとしたら、ルパート少年と彼のママの関係性は早い段階で互いに分かり合えた分岐の世界なんだろうな〜。
ポニョで描かれたリサと宗介の親子関係にわたしたちが感嘆したみたいに、自分より若い年代のものとして新たなママが描かれているのはすごく面白い。

ジョンと神様が話すシーンほんとうに素敵。間違った場所かもしれないけど、これが自分のために用意された場所!は〜〜そうそう、そうだよネ、、、


「貧困や紛争に比べて、同性愛者であることを隠して生きることは贅沢な悩みだと思うか?差別やホモフォビアと戦うことは?」みたいなことをルパート青年が問うシーン、
ドラン先輩は一生「美少年な僕とママと死んだ彼氏」を自分の身のまわりのスケールで描き続けるのかと思ってたけど、映画のスケールにあった話や展開をするんだ……と思って非常に胸を打たれた。年代の近いファンの一人としてとても感動したなぁ。

とにかく、ドランの私的な物語の中でダントツ良いよ、、、。
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