『言語によって思考が形作られる』
例えば、、、
日本語の"侘び寂び"にぴったりはまる外国語の単語は存在しないから、その感覚を説明するためにはあれやこれや言葉連ねて説明しなければなりません。未知の生物を理解するためにはまず《彼ら》の言葉を理解しなければならないのは当然のこと。
《彼ら》が地球にやって来た目的を探るため、言語学者ルイーズ♀と物理学者イアン♂が《彼ら》と接触し徐々に意思疎通が図られて行く過程にルイーズの娘ハンナとの楽しく悲しい日々が差し込まれていきます。
ルイーズが初めてばかうけ型宇宙船を目の当たりにするまで映画の観客もその実体を目にすることができません。焦らしに焦らされてようやく目にした宇宙船。◯◯とジャンルにカテゴライズできない音楽も一層宇宙船の不気味さを際立たせてます。
未知の生物とのコミュニケーションを図るためのアプローチが興味深かったです。「What is your purpose?」を尋ねるために、こんなに段階を踏んで行くのかと。地球上でも大陸や民族が違えばほんの数百年前に行われていたことなんですよね。
音楽に尺八(?)のような楽器や民族音楽調の声が使われていたり、《彼ら》の文字が水に濡れた和紙に墨で描いているような形状だったり、東洋のエッセンスを随所に感じました。
現象は1つ、解釈は無数。
一緒にこの映画を観た人をとも、細かい点で解釈が違っていたりして、普段身の回りの出来事でもすごくあるある!です。
どうせ解釈するなら人を信じてプラスになる方向に私は解釈したいな。
もし自分がルイーズだったらどうするか、ずーーっと考えていますが、今も答えは出ていません。
ちょと気になったのはイアンは物理学的見地からの仕事をしていたのか?ということ(笑)
原作の短編集を早速を購入したので
読むのが楽しみです。