おてもと

リメンバー・ミーのおてもとのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.5
地上波で録画しておいた「Mr.インクレディブル」を見終わった後は、息子の勉強時間と夕食を挟みようやくネット環境が安定してきたのでAmazonプライム(有料)で「リメンバー・ミー」を鑑賞しました。

ピクサー作品のなかでもかなり最近(2016年公開)に制作されていることもあり、古い作品であっても毎回驚かされるCGの表現力は頂点を極めている感があります。光源処理とか人間以外のもの(今回だとガイコツ)を使った感情表情などはエグいほどの完成度の高さです。

またヒスパニックの文化圏を舞台にしていることもあり、「死者の日」という日本のお盆と極めて近い風習が全編に亘って描かれており、これまでのディズニー作品とは違った独特の魅力的な雰囲気を持つ作品となっています。

作品のテーマの性質から、演出が他の作品よりも若干高めの年齢層に寄せられている感があり、トイストーリーやニモなどのシリーズのような山場のドタバタ劇が抑えられてる点もおっさん的に評価が高いポイントです。また何らかの理由で生涯の別れを経験している大人だからこそ涙するシーンなど脚本も文句のない出来だと思います。

というわけで4.5点くらいつけてもいい素晴らしい作品なのですが、どうも釈然としないモヤモヤ感があるんですよね。見終わった後にじっくりと考えてみて分かったのですが、若干高めの年齢向けにしているからなのか、家族を大事にする気持ちって素敵だねってことだけに収まらず、それを形として守ることを強いる姿勢が感じられてそれが嫌~な鑑賞後の感覚に繋がっているのではないかと。

残された人たちの記憶に残るのであれば、形は関係ないんじゃないか。あと人生において大事な局面では家族と別れるという選択肢も許されていいと思います。この作品ではそうふうに描いていない分点数は低くなってしまいました。
おてもと

おてもと