舞台芸術の方が馴染みのある、重みのある映画だった。
気分が悪くなる人が多数だと思うが、それはどの人物のかけらも自分の中にあるからでは。そんな平凡な世界からそう遠くない一家が、国家が抹殺する次男を生み出してしまう。
映画では父が災厄の原因であるようち描いているが、父は父で一家に尽くしている、悪人ではない点が始末が悪い。
田中麗奈の女の子の気持ちは劇中での掘り下げがないので、消化不良だった。
他人の考えを引っさげて正論を振りかざす、たちの悪い人物でもあり、稔にとっての救いとなったかもしれない存在。動機がない、その彼女の存在をどう見るかという問いかけなのか。気分は悪いが見直さなければ。
