SF的華やかさよりもドラマが印象に残る名作。
GATTACAという宇宙飛行士要請施設以外の様子がほとんど語られない。語られないことで不安を孕んだ未来感が増す。まるでおとぎ話のような世界観が好み。
劣性遺伝子にくじけず宇宙に行く夢をあきらめない青年と、優性遺伝子を持つプレッシャーに負けた青年とが入れ替わる。
最終的にふたりとも希望はかなったようだけど、それって本当の幸せなの？
銀河鉄道の夜とか、星の王子さまとかを思い出しながら、遺伝子操作の是非を問いつつ哲学的な深みにはまってエンドロール。
生命のスープの中で、優れた遺伝子を持つ弟と劣性の兄とが競い合う暗喩。
好むと好まざるとにかかわらず、ジュードロウの麗しさはいっそ暴力だと毎度思います。
ちょっと高飛車な雰囲気、でも愛嬌があって。車いすで軽めのスーツでビジュアルもよいなあ。
イーサンホークと二人、酔っぱらってベッドでもだもだしながら自分の過去をぽつりとこぼす様子が非常に危うくて震えた。
