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ガタカのKentaのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.5
遺伝子で全てが決まるそう遠くはない未来。生誕時に遺伝子操作を受けなかった一人の男が、遺伝子で全てを差別をされる世の中で、中でも最も優秀とも思われている宇宙飛行士になる夢を叶えるために立ち向かう物語。
イーサン・ホークやユマ・サーマン、ジュード・ロウなど、今じゃ名キャストの方々も見られる一作。

遺伝子組替で、優秀な子供を生誕時に作ることができてしまうそう遠くない未来の話。遺伝子組換で誕生した子は"適正者"、組換を受けていない天然の子は"神の子"と呼ばれていた。"神の子"は要するに普通の子供である。そのため、当然のごとく"適正者"には何もかも劣るわけであり、あらゆるところで差別をされていた。
主人公ヴィンセントは、"神の子"であり、"適正者"の弟をもっている。親から全て比較され、何もかも弟に負けてきた。ヴィンセントは、ある日、宇宙飛行士に憧れを持ち、目指すことにする。だが、"適正者"であるか否かで結局採用されず…。
しかし、あることをきっかけに、"適正者"のジェロームになりすまし、ガタカに不正で入局し、働くことになるのだった…。

運良く映画館で観れて本当によかった。
主人公ヴィンセントのやってることは正直言って、映画内の世の中では違法であるからあまりよろしくないのは承知の上だ。ただ、なぜか観終わった後には、自然と涙が溢れていた。

遺伝子組換しときゃ、スポーツも勉強も仕事も就職も全部が安泰。完璧な人間が出来上がるとも言える世界。その中で、自然体で生きてきたヴィンセント。なのにもかかわらず、弟に勝てる部分があった。遺伝子なんていじらなくても、良質な人間にはなれる。そんな気がした。

宇宙飛行士になる素質として、"適正者"以外は基本的に完璧なヴィンセントが、"適正者"ではないってだけで、スタートラインにも立たせてもらえない。これってなんとも酷い話だなと。ただ、今の世の中の実情であるとも言える気がしてしまう。なにかと、こういうもので区別され、スタートラインに立たせてもらえないなんて機会もある人はいるのではないだろうか。

最終的にはあのようなオチになるわけだが、最後の医者の印象がとても焼きつく終わり方だった。
音楽、映像と綺麗な部分が多く、見入ってしまう作品となってた。個人的にはユマ・サーマンに見入ってたけど…(笑)
ヴィンセントとジェロームの関係やアイリーンの恋模様、ヴィンセントの葛藤などなにかと心を動かされる場面が多かった気がした。
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