Mamita

ガタカのMamitaのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.0
無機質で人間がみなロボットみたいな世界観のなかで泥臭く必死に運命に抗い覆すヴィンセントの執念や生き様がコントラストになっていて面白い。ジェロームとヴィンセント、それぞれ全く違う思考や性格なのに、共謀する姿がめちゃくちゃカッコいいです。ただ、ヴィンセントは生まれ持った劣勢を乗り越えて情熱を追い求めることができた一方、恵まれたはずのジェロームはその優勢がコンプレックスとなり苦しんでいてとても切なかった。ラストシーンにも胸が痛む。
また、弟アントンもまた優勢で生まれたがゆえに運命を覆す兄を素直に認められず劣等感を感じている。
なんか完璧な人間なんてこの世にはいないんだなって思った。

ユマサーマンのサイボーグ感にどことなく宿る色気が本当に素敵。

内容としては、殺人の理由や警察の態度、最後の尿検のセリフなどちょっと疑問が残る点はあるけど、不思議な近未来的雰囲気を楽しむことができた。
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