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ガタカの21のレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.5
☆4.5

好きな映画です。最後までハラハラドキドキが止まらなかったです。久しぶりにマイベストムービーが入れ替わりそうな予感。

女性の安楽死事件や有名アーティストの発言など、最近何かと話題に挙がる優生思想に関して、じっくりと考えることができる作品でした。

遺伝子に恵まれなかった人間も、生まれた時から「エリート」な人間も、各々が自分なりの地獄で足掻いているんですね。その中で、如何に活路を見出すか、希望を捨てないかが重要なのだと痛感しました。可能性が制限される狭く息苦しい社会において、主要キャラ一人ひとりが自分の頭で考え、自分の人生を作り上げており、その姿に励まされました。
一方で、兄弟に抱く劣等感、社会での待遇の差、それに伴って生まれる貧富の差など、不条理な要素には何度か胸が痛くなりました。

終盤の検尿のシーン、染みました。あとは自死を決してマイナスには見せない描写も気に入りました。宇宙に還るって考え方非常に良いと思います。私たち人間は、広い宇宙に比べたらちっぽけな存在です。地球という一惑星の中で優劣に捉われるだなんて、まさに「井の中の蛙大海を知らず」ですね。

素晴らしい映画でしたが、展開が読めてしまう箇所がいくつかあったので少々スコアを下げました。
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