Ullr

ガタカのUllrのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.5
遺伝子操作の人間への応用が普及してしまった世界の話。
今までもこれからも、資本主義の名の下に絶え間なく発達していく科学・医療技術を利用することと倫理的な問題の間に齟齬が出てくることは避けられない事実。

この映画の意図するところは、いわゆる「出生前診断による命の選別」の倫理的問題に疑問を投げかけることなのではないかと思う。
確かに大きく意見が別れる問題であるし、生まれ出で子をもうける動物として、誰しも遭遇し得ることであるため他人事だと切り捨てられない。
もし当事者になったとき、倫理的に問題だからといって本当にどちらが間違っていてどちらが正しいなんて判断がつくのか?ひどく残酷だが綺麗事では済まされない。製作陣に拍手を送りたい。

映画のセットは通して、我々のイメージする"嫌な"近未来感を纏う。2020年の今すでに体感して久しい管理社会ってシステムにはまったく嫌気が差すね。マイナンバーがなんぼのもんじゃい。

デスクトップパソコンの様式がアップデートされてないことを除けば、とても97年の映画には思えない。
面白いけどスリリングすぎてきっともう一度は観られない。
いつもダカタって間違える。

何が言いたいかって言うとDr.レイマー愛してる。
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