Rita

大恋愛のRitaのレビュー・感想・評価

大恋愛(1969年製作の映画)
3.8
男の愛と妄想。

工場を営む実業家の一人娘と結婚した男。義父から仕事を任され、夫婦仲も良好ながら、どこか満たされない退屈な日々を送っていた。そんなある日、若く美しい秘書が現れ、どうしようもなく惹かれてしまう。

エテックスの初カラー作品。結婚したばかりの幸せそうな夫婦を妬んだおば様たちが噂をするとあっという間に悪い噂が広がっていき、噂話をする度に内容が変わっていって最終的に酷いことになってるのは可哀想だった。夫はただ女性に挨拶しただけなのにね。

男は美人秘書に恋をしているからと、別れを切り出そうか悩み、妻にどう話すべきか友人に相談すると、友人の妄想が始まり、友人は男の妻にパイを投げつけられたり、「財産分与は半分だ!」と言い、家の家具全部半分に切ってるのとか馬鹿馬鹿しくて好き。

夫が夢を見るシーン。ベッドが車のように道を滑り出して、道端には美人秘書のアニエスが現れる。男はアニエスをベッドに招き、走っていると、ベッドが壊れた人、ベッドの衝突事故で揉めるおじさんが居たりとファンタジーで奇想天外な夢幻的なシーンが面白い。

ラストはハッピーエンドと思いきや、旅行から帰ってきた妻の荷物を運んでくれた男性との関係を問いただす疑い深い夫。自分を棚に上げて、しょうもないことで派手に喧嘩して終わるのは皮肉で笑った。映画製作の後、妻フロランスを演じたアニー・フラテリーニが本当にエテックスの妻になったんですって、映画では散々な目にあったお2人ですが素敵ですね。
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