チッコーネ

シャイラクのチッコーネのレビュー・感想・評価

シャイラク(2015年製作の映画)
3.0
バカバカしいコメディではあるのだが、同じ予定調和でも、最終目的地が「語るべきなのに語られない」地点に立脚しているため、製作の意義は充分に感じられる。
逆に言えば「USブラックを苦しめ続けてきた人種差別が、いまや同族の殺し合いを生み出している」という悲痛を、監督流の優れた手腕でエンタメに昇華させている作品だ。

ただ銃社会の問題はアメリカをはじめとする局地の問題でもあるので、作中の「運動が(日本を含む)世界に広がっている」というアプローチには、ちょっと辟易。
「おやおや、またアメリカが世界の中心だと思っている。アナタ方の社会が特別異常だという自覚に乏しいのかしら?」という違和感を覚えた。