ぱとちゃん

シャイラクのぱとちゃんのレビュー・感想・評価

シャイラク(2015年製作の映画)
3.5
本作は、古代アテナイの悪名高い喜劇詩人、風刺詩人アリストファネスの作品が大まかなベースになっている。アリストファネスの戯曲のほとんどは、政治家や詭弁家(sophists)に対する風刺や侮辱に彩られた残酷な喜劇であった。ソクラテスも、アリスとファネスに誤って詭弁家と決めつけられていて、よくお笑いのネタとされてた。

しかし今日、ソクラテスの話ではなく、そんなアリストファネスの戯曲の一つである、『女の平和』を現代アメリカに置き換えて、スパイク・リーの映画化の話である。

原作では、スパルタはトロイと戦争中である。この映画では、2つの敵対するギャングが登場する。ギャングの抗争がなかなか終わりそうにないとき、女たちは自分たちの手で問題を解決しようと決意する。そこから映画はかなりコメディチックな展開になる。(アリストファネスが生きていたら、スパイク・リーを誇りに思うだろう)。本能的な欲求を奪われた?男たちは、映画が展開するにつれて、脳細胞の少ない動物から脳なしへと変わっていく。女性たちだけが、平和に暮らしたいようだ。

幸運なことに、忍耐が成功へと導く。長続きはし無さそうだが、0.5%の進歩でも、何もないよりはましだ。

スパイク・リー監督は、アフリカ系アメリカ人の監督の中で唯一、アフリカ系アメリカ人が一人でも変わることを達成するならば、たとえ偏屈者に誤解される恐れがあったとしても、アフリカ系アメリカ人のコミュニティが置かれた状況において、自分らの役割と責任を左遷されることを恐れずに、描いている。
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